乗合バス事業者向け日報・収入管理システムの選び方|エクセル・紙の管理とシステム化の違いを徹底比較
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はじめに
乗合バス事業者にとって、日々の日報業務や収入管理業務は「現場」と「経営」をつなぐ非常に重要な業務です。「長年にわたりエクセルや紙で管理しているが、入力ミス・集計ミスが気になる」「業務の負荷が大きくなり、効率化を考えている」という現場の声が近年ますます多くなっています。
業務のデジタル化や働き方改革が求められる中で、日報・収入管理業務の見直しは欠かせません。
本記事では、エクセル・紙での管理とシステム化(日報・収入管理システム導入)の違いや、それぞれのメリット・デメリットを徹底比較します。
「現状の業務を変えたい」「自社に合った管理方法を選びたい」と考えている方に向けて、分かりやすく解説していますのでご参考になれば幸いです。
乗合バス事業者における日報・収入管理の現状
乗合バス事業者の現場では、営業所等での売上日報登録や本社での収入管理業務が日々発生しており、多くの会社では「アナログ管理」が主流となっています。
- 営業所等の事業現場で紙の日報への記入やエクセルに入力
- 本社で集計して日次処理・月次処理を行い、各種帳票を作成
この運用スタイルは「このやり方でも運用できている」「コストがかからないし、慣れた作業だから」などの理由で長く続いていますが、近年は以下のような課題・悩みも頻出しています。
● 各営業所や本社でのフォーマットが違うため、集約が大変
● 転記や手作業での入力ミスや集計漏れが気になる
● 法令対応・監査対応資料の作成業務が煩雑化
● 担当者の異動による引継ぎ負荷が高い
● データ集約が難しく、分析・経営判断にデータを活かしにくい
これらの現状課題を把握したうえで、「エクセルや紙のまま継続するのが良いのか?」「システムへの切り替えが必要か?」について、次章より詳しく見ていきます。
エクセル・紙での日報・収入管理におけるメリット/デメリット
まずは、エクセル・紙での日報・収入管理におけるメリット/デメリットをご紹介します。
【メリット】
● 初期コストがほとんど不要
パソコンやプリンター、エクセルなどの既存ソフトがあれば簡単に始められ、追加投資が必要ありません。
● 誰でも操作できてカスタマイズも簡単
各営業所や本社ごとに使いやすいフォーマットを設定でき、担当者が細かく調整できます。
【デメリット】
● ヒューマンエラーが多発しやすい
手入力や転記、集計でミスが起きやすいです。またエクセルや紙のバージョン管理なども煩雑になりがちです。
● 営業所等の事業現場・本社間のデータ連携が難しい
営業所間や、営業所・本社間で異なるエクセルや紙が混在し、共有や集約に時間がかかります。
● データの紛失やバックアップリスク
紙は紛失や破損のおそれがあり、エクセルもパソコンの故障やデータ消失の危険があります。バックアップ体制の属人化も課題になっています。
● 分析活用や帳票作成対応の限界
蓄積データの横断分析や迅速な帳票作成が難しく、「ただの記録」で終わってしまいます。
● 働き方改革時代とのズレ
働き方改革やテレワーク推進が進む中で、手作業の工数が現場の負担になっていることや、属人的な業務が解消できないなどの課題もあります。
システム化(日報・収入管理システム導入)におけるメリット/デメリット
次に、システム化(日報・収入管理システム導入)におけるメリット/デメリットをご紹介します。
【メリット】
● ミスの削減や業務精度の向上
入力項目や数式計算が自動化されるため、入力漏れ・転記ミスの防止や集計値のズレが解消できます。その結果、業務精度の向上にも繋がります。
● データの一元管理とリアルタイムでの共有
営業所間や、営業所・本社間でデータを共有できます。二重入力や情報伝達のトラブルを防ぎ、リアルタイムで業務状況を把握できます。
● データの安全性や自動バックアップ
システムによるデータ保存やバックアップが行われるので、パソコンの故障や人為ミスによるデータ消失リスクが格段に軽減されます。
● 高度なデータ活用と帳票作成業務の効率化
蓄積したデータを多角的に表示・分析できるため、素早い経営判断や今後の戦略策定、業務改善・サービス改善にも直結するデータ活用が実現します。また、帳票の自動作成も可能です。
● 現代の働き方や属人化対策に対応
画面のナビゲーションに従って入力するだけで正確に業務を進めることが出来るので業務効率化に繋がり、特定の社員しか分からないといった“属人化”も防げます。これにより、働き方改革の推進や現場の負担軽減に大きく貢献します。
【デメリット】
● 初期コストや月額コストが発生
導入時の費用や毎月の利用料が発生するため、投資対効果の見極めが必要です。
● システムの選定によって導入効果に大きな差が出る
乗合バス事業の実務や運用に合わないシステムを選ぶと、使い勝手が悪く現場に定着せず、逆に業務負担が増えてしまうケースがあります。また、サポート体制やカスタマイズ対応などシステム提供会社によって違いがあるため、慎重なシステム選びが重要です。
エクセル・紙での管理とシステム化との違いを徹底比較
ここまでの内容を踏まえて、日報・収入管理の「エクセル・紙によるアナログ管理」と「システム化(日報・収入管理システム導入)によるシステム管理」の違いを具体的な比較表でまとめます。
比較項目 |
エクセル・紙管理 |
システム管理 |
---|---|---|
コスト |
ほぼ不要 |
導入・月額費用が発生 |
入力・集計ミス |
手作業中心でミスが起きやすい |
入力項目や数式計算の |
データ共有 |
物理的な移動やメール添付など 限定的 |
データが共有され、 |
データ活用 |
記録止まりとなり、 |
グラフ化・分析が可能 |
帳票対応 |
手作業・属人的で |
帳票の自動作成が可能 |
バックアップ |
担当者次第で |
自動バックアップで |
属人化 |
フォーマット乱立や |
業務手順や操作方法が標準化され、 誰でも安定した運用が可能 |
セキュリティ |
紙の流出やデータ消失リスクが つきまとう |
アクセス制御・監視ログで |
現場処理の効率化や将来の業務拡大、収集したデータの積極的な活用を目指すのであれば、システム化は確実に大きなメリットをもたらします。今後を見据えた強い組織づくりのためにも、システム化の一歩を踏み出すことをおすすめします。
こんな場合はシステム化をおすすめ!
次のような課題を感じていれば、システム導入のタイミングです。
● 入力ミスや残業が慢性化し、現場の負担軽減が必要
● 帳票作成対応が煩雑で手間がかかる
● 各営業所・本社で売上状況がリアルタイムに把握できていない
● 担当者の業務引継ぎが難しく、属人的体制が問題化している
● 売上情報を記録するだけでなく、経営判断や業務改善に活かしたい
こうした要件は、「日々の小さなミスや悩み」の時点からシステム検討を進めるのが理想です。
まとめ
乗合バス事業者にとって、管理スタイルの最適化は会社規模や業務体制で異なります。
今まで通りのエクセル・紙管理は慣れや手軽さのメリットがある一方、業務効率化やトラブル防止、データ活用力の強化にはシステム化が大きな選択肢です。
「何が今すぐ解決したい課題なのか」――それを整理することで、自社に合った業務改善・システム選びが進みやすくなります。
まずは現場の声や課題を整理して、業務の見直しや最適化に取り組んでみてはいかがでしょうか。
<ご参考>日報・収入管理システム活用を考えている方へ
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