
貸切バスの運賃改定とは?改定内容と事業者が取るべき対応を解説
はじめに

2025年9月26日付で、貸切バスの新たな運賃・料金額が公示されました。
基準額は地方運輸局ごとに定められるため、適用される金額や確認すべき公示内容は地域によって異なります。
貸切バス事業者は料金表の更新だけでなく、見積もりから請求まで新しい運賃を正しく反映する体制づくりが重要です。
そこで本記事では、2025年の運賃改定の概要や注意点、実務での対応手順を解説します。
あわせて、当社が提供する貸切バス向けクラウド型予約運行管理システム「楽々道中」で、運賃管理と日々の業務を効率化する方法も紹介します。
目次[非表示]
- 1.はじめに
- 2.2025年の貸切バスの運賃改定
- 2.1.貸切バス運賃改定の概要
- 2.2.運賃改定が行われた背景
- 3.貸切バスの運賃改定で確認すべき主な内容
- 3.1.基準額と下限額の関係
- 3.2.時間制運賃とキロ制運賃の計算方法
- 3.3.料金項目と割増料金
- 3.4.地域別の基準額
- 4.貸切バス事業者が運賃改定で注意すべきポイント
- 5.貸切バス運賃改定への対応を進める手順
- 6.効率的な運賃改定なら楽々道中
- 6.1.最新の運賃改定を反映し下限割れチェックができる
- 6.2.予約から配車・運行・請求まで一元管理できる
- 6.3.NAVITIME連携で行程表作成や見積精度を高められる
- 6.4.クラウド型で法改正や規則変更にも対応しやすい
- 7.まとめ
- 8.関連する記事・お役立ちコラムのご紹介
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2025年の貸切バスの運賃改定

2025年の運賃改定では、貸切バス運転者の待遇改善を目的に、地域別の基準額が引き上げられました。
事業者は新運賃の届出や適用時期を確認し、見積もりや請求に反映する必要があります。ここでは、改定の概要と背景を解説します。
貸切バス運賃改定の概要
2025年9月26日、各地方運輸局長と沖縄総合事務局長が、貸切バスの新たな運賃・料金の基準額を公示しました。
事業者は10月24日までに変更を届け出たうえで、届出日以降から11月1日までの任意の日に新運賃の適用を開始します。
国土交通省の試算によると、大型車が190kmを5時間で運行した場合の値上げ率は、地域によって7~8%です。
中国運輸局と沖縄総合事務局の管内では7%、そのほかの地域では8%とされています。
新運賃の実施日前に運送の引受けで合意していた案件には、契約締結が実施日以降になった場合でも旧運賃を適用できます。
その際は、運送引受書に旧運賃を適用した旨を記載します。
また、修学旅行などの学校行事には、2027年3月31日までに実施される旅行を対象とした特例措置があります。
参考: 国土交通省|貸切バスの新たな運賃・料金を公示します。(令和7年9月26日 報道発表)
運賃改定が行われた背景
運賃改定の主な目的は、貸切バス運転者の賃金を全産業平均の水準へ近づけ、人材を確保することです。
国土交通省は、運転者の平均給与が全産業平均を下回っていることを、見直しの理由として挙げています。
貸切バスの公示運賃は、原則として2年ごとに見直されます。
さらに2025年度からは、事業者による毎年度の原価報告書の提出が義務化されました。
実際の運行コストをもとに、運賃水準を定期的に検証するためです。
過度な値下げは、安全対策や人材確保に必要な原資を減らすことにつながります。
事業者には、運行にかかるコストを適切に反映し、安全な運行を継続できる運賃を収受することが求められます。
参考: 国土交通省|貸切バスの新たな運賃・料金を公示します。(令和7年9月26日 報道発表)
貸切バスの運賃改定で確認すべき主な内容
改定後の運賃を正しく算出するには、地域別の基準額だけでなく、時間制・キロ制運賃や割増料金のルールも確認する必要があります。
ここでは、見積もりや請求に反映する際に押さえておきたい4つの項目を解説します。
基準額と下限額の関係
2023年8月の制度改正により、貸切バス運賃には上限額が設定されなくなりました。
現在、地方運輸局長が公示するのは、事業者の届出運賃が適正かどうかを判断するための「基準額」です。
各事業者が届け出た運賃額は、実際に収受できる「下限額」となります。
割引を適用する場合も、この下限額を下回る運賃では運送できません。
2025年の改定では基準額が引き上げられました。
旧基準を反映した料金表や見積書を使い続けると、届出運賃の下限を下回る可能性があるため、単価や計算式の更新が必要です。
時間制運賃とキロ制運賃の計算方法
貸切バスの運賃は、時間制運賃とキロ制運賃を合算して算出します。
走行時間や距離に単価を掛けるだけでなく、最低保障や端数処理のルールも反映しなければなりません。
区分 | 計算方法 | 主なルール |
時間制運賃 | (走行時間+点呼・点検時間2時間)×時間単価 | 走行時間が3時間未満の場合は3時間として計算する。30分未満は切り捨て、30分以上は1時間に切り上げる |
キロ制運賃 | 走行距離×キロ単価 | 10㎞未満の端数は10㎞に切り上げる |
走行時間と走行距離には、営業所から出発地までの回送区間も含まれます。
宿泊を伴う場合は、宿泊場所への到着後と翌日の出発前に、それぞれ1時間の点呼・点検時間を加算します。
料金項目と割増料金
貸切バスでは、時間制・キロ制運賃とは別に、運行条件に応じた料金や割増料金を収受します。
主な項目は次のとおりです。
有料道路料金や駐車料、乗務員宿泊料などは、運賃とは別に実費で収受します。
顧客から確認された際に説明できるよう、見積書には加算項目と算出根拠を明記しておきましょう。
また、旅行会社へ支払う手数料が過大で、差し引き後の運賃が安全な運行に必要なコストを下回る場合は、運賃の割戻しに該当する可能性があります。
地域別の基準額
基準額は地方運輸局ごとに異なります。
見積もりを作成する際は、営業所の所在地を管轄する地方運輸局の公示内容を確認してください。
2025年9月26日に公示された大型車の基準額は、次のとおりです。
複数の営業所を運営している場合は、見積もりごとにどの管轄の基準額を参照するのかを明確にする必要があります。
中型車や小型車、コミューター車には、それぞれ異なる単価が設定されています。
実際に運賃を算出する際は、管轄の地方運輸局が公表している最新の公示を確認してください。
参考:国土交通省|報道発表資料(新旧公示運賃額・地域別値上率)
貸切バス事業者が運賃改定で注意すべきポイント
運賃改定後は、旧単価の使用や計算条件の見落としによって、意図せず届出運賃の下限を割る可能性があります。
料金表だけを更新しても、見積書や請求書に旧基準が残っていれば対応は不十分です。
ここでは、実務で注意したい4つのポイントを解説します。
見積額が届出運賃の下限を下回らないようにする
貸切バス事業者は、届け出た運賃額を下回る金額で運送できません。
割引を適用する場合も、割引後の見積額が下限を下回らないようにする必要があります。
運賃は、走行時間や走行距離だけでなく、回送区間や点呼・点検時間を含めて算出します。
過去の案件をそのまま流用すると、運行条件の違いを見落とし、誤った金額を提示するおそれがあるため注意しましょう。
古い料金表や見積書を使わない
改定後も旧料金表や古いExcelファイルが残っていると、担当者が誤って旧単価を使用する可能性があります。
また、ファイル名だけでは新旧を判断できず、更新前の資料が使われ続けるケースもあるでしょう。
料金表だけでなく、見積書の計算式や請求書のひな形にも旧基準が残っていないか注意が必要です。
一部の資料だけを更新すると、見積もりと請求で金額が食い違う原因になります。
担当者によって計算方法が変わらないようにする
営業や配車、経理の担当者が、それぞれ異なる単価や計算方法を使っていると、同じ運行条件でも見積額に差が生じます。
回送区間の扱いや端数処理が担当者ごとに異なるケースにも注意しましょう。
特定の担当者しか運賃を計算できない状態では、不在時や繁忙期に確認が省略されるおそれがあります。
また、担当者の異動や退職によって、計算ルールを正しく引き継ぐことができない可能性もあるでしょう。
顧客に運賃改定の理由を説明できるようにする
利用者や旅行会社から運賃の引き上げについて尋ねられた場合は、改定の背景や算出根拠を説明できるようにしておきましょう。
今回の改定は、運転者の待遇改善や人材確保、安全な運行を継続するための原資確保を目的としています。
単なる値上げではなく、安全な運行を維持するための適正運賃であることを伝えるのが重要です。
見積書に料金の内訳や加算項目を明記しておけば、顧客から質問を受けた際にも説明しやすくなります。
貸切バス運賃改定への対応を進める手順
運賃改定への対応は、社内資料の確認、新運賃の反映、運用ルールの統一という順番で進めます。
一部の料金表だけを更新するのではなく、見積もりから請求まで同じ基準を使える状態にすることが重要です。
ここでは、実務対応の手順を3段階で解説します。
料金表や見積書の使用状況を確認する
まず、営業所や担当者が使用している料金表、見積書、請求書のひな形を洗い出しましょう。
Excelや紙の資料が複数ある場合は、それぞれの保存場所や利用者、更新日も確認してください。
あわせて、2025年の改定前に作成された計算式や社内マニュアルが残っていないかを確認します。
営業と配車、経理で異なる資料を使っている場合は、どの資料を正式版とするか決める必要があります。
過去の受注案件も確認し、届出運賃の下限に近い金額で契約していた取引先を洗い出しておきましょう。
改定後も同じ金額で受注すると下限を割る案件を把握できれば、顧客への説明や価格交渉を早めに進められます。
新しい単価と計算ルールを反映する
次に、届出運賃にもとづいて、料金表や見積書の単価を更新します。
時間単価やキロ単価だけでなく、回送区間や点呼・点検時間、端数処理や割増料金の計算式も確認してください。
更新後は、一般的な運行だけでなく、宿泊を伴う運行や深夜早朝運行など、条件の異なる案件で試算します。
複数の担当者が同じ条件で計算し、同じ見積額になるかを確認する方法も有効です。
地方運輸局が公開している簡易計算シミュレーターは、下限額の目安を確認する際に利用できます。
ただし、計算結果だけで適法性が確定するものではないため、自社の届出内容や運行条件と照合する必要があります。
見積もりから請求までの確認手順を統一する
最後に、誰がどの段階で運賃を確認するかを決めます。
見積書の作成時だけでなく、受注確定時や請求書の発行前にも、使用した単価や運行条件を確認できる手順にしておきましょう。
料金表の正式な保存場所や更新担当者も明確にします。
改定後のファイルと旧ファイルが混在しないよう、古い資料は閲覧専用の保管場所へ移すか、使用停止であることを明記してください。
見積もりや予約、配車や請求で同じ運賃情報を参照できれば、転記ミスや担当者ごとの判断の違いを防げます。
今後の運賃改定にも対応できるよう、特定の担当者や個別のExcelファイルに依存しない運用へ切り替えることが重要です。
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効率的な運賃改定なら楽々道中

運賃改定へ対応するには、見積額を確認するだけでなく、予約から請求まで同じ運賃情報を使える体制が必要です。
貸切バス向けクラウド型予約運行管理システム「楽々道中」では、下限割れの確認や業務の一元管理、行程表の作成を支援します。
最新の運賃改定を反映し下限割れチェックができる
楽々道中では、最新の運賃改定を反映したうえで、見積もり時にバス料金が下限を割っていないか確認できます。
見積書を作成する画面上で確認できるため、別の計算ツールへ金額を入力し直す必要がありません。
見積もりを作成するたびに確認できるため、担当者の経験だけに頼った判断や確認漏れを減らせます。
ただし、最終的な運賃の妥当性は、自社の届出内容や運行条件にもとづいて事業者が判断する必要があります。
予約から配車・運行・請求まで一元管理できる
楽々道中では、予約受付、車両や乗務員の手配、運行管理、請求、未収金管理までを一つのシステムで扱えます。
見積もり時に登録した情報を後続の業務へ引き継ぐことができるため、担当者間の転記や二重入力を減らすことが可能です。
営業担当者・運行管理者・経理担当者が同じ情報を確認できるため、見積書と請求書で異なる単価が使われるリスクも抑えられます。
紙の台帳や複数のExcelファイルを行き来する必要がなくなり、担当者以外でも案件の進捗を把握できます。
関連記事:【貸切バス 運行管理システム】導入で業務効率アップ!失敗しない選び方と成功のポイントを徹底解説
NAVITIME連携で行程表作成や見積精度を高められる
楽々道中は、ナビタイムジャパンが提供する「行程表クラウド by NAVITIME」と連携が可能です。
大型車が通行できるルートをもとに、走行距離や所要時間、高速道路料金などの情報を予約データへ取り込めます。
貸切バスの運賃計算に必要な距離や時間を手入力する作業が減るため、転記ミスを防ぎながら見積もりを作成できます。
楽々道中と行程表クラウドを連携して利用することで、行程表作成、見積作成、予約・配車・請求・未収金管理までの一元管理が可能になります。
クラウド型で法改正や規則変更にも対応しやすい
楽々道中はクラウド型のシステムであるため、自社でサーバーを用意する必要がありません。
機能の更新もクラウド上で行われるため、法改正や運賃制度の変更があった際に、社内のExcelや紙の台帳を一つずつ修正する負担を減らせます。
料金は月額25,000円からで、利用規模によって異なります。
導入前には無料トライアルを用意しているため、実際の操作画面や自社の業務との相性を確認したうえで導入を判断できます。
まとめ
2025年の貸切バス運賃改定では、9月26日付で地方運輸局ごとに新たな基準額が公示され、11月1日までに順次適用が始まりました。
事業者は、自社の営業所を管轄する地方運輸局の公示内容を確認し、届け出た運賃額を下回らないよう見積もりや請求へ反映する必要があります。
正しく対応するには、料金表や見積書の単価だけでなく、回送区間や点呼・点検時間、端数処理、割増料金の計算ルールも見直さなければなりません。
営業担当者・運行管理者・経理担当者が同じ情報を参照し、見積もりから請求まで一貫した運用を行える体制を整えることが重要です。
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