――宮城交通株式会社が挑んだ、バックオフィス業務効率化の全貌
仙台市を拠点に宮城県内の公共交通を支える総合交通事業者として、路線バス、高速バス、貸切バスを運行する宮城交通株式会社。営業所は、本社を含めて8拠点、車両数は306台です。
現在、同社と子会社の株式会社ミヤコーバスにおいて、弊社の「日報・収入管理システム(SaaS版)」をご利用いただいています。
同社では、年々厳しさを増す業務負担の軽減を見据え、2014年に弊社の「日報・収入管理システム(パッケージ版)」を導入し、アナログな手作業からの脱却を実現しました。
さらに2026年3月からは、同システムの「SaaS版」へと移行。自社でのサーバー維持管理から解放されるとともに、リアルタイムな日報データ共有を実現し、段階的なバックオフィス業務のDXを推し進めています。
バス業界におけるDXの現実的な一歩を踏み出し続ける宮城交通様に、プロジェクトの核心を伺いました。
・SaaS移行によるITコストと管理負担の劇的な削減
自社でのサーバー保守や障害対応、バージョンアップ作業が不要となり、IT運用コストおよびIT資産を維持管理する手間が大幅に軽減されました。
・リアルタイムな情報共有と意思決定スピードの向上
従来の「営業所から本社への一方通行」のデータ連携から、SaaS化によって本社から全営業所の日報データをリアルタイムに確認できるようになりました。状況把握が即座にでき、月末月初の経理処理で時間がないタイミングでもスムーズに作業ができるようになりました。また、管理職の意思決定スピードも向上しています。
・スムーズなシステム移行と業務の可視化
UIや操作感がパッケージ版から大きく変わらなかったため、社員の再教育をほとんど行うことなくスムーズに移行できました。
また、かねてより要望を出していた「定期券の月割り按分機能」が標準搭載され、手作業の自動化も実現しました。

【お話を伺った方】
宮城交通株式会社
財務部 部付課長 兼 審査課長 西村 和久 様
本プロジェクトの核心について、財務部の西村様が、導入当時のリアルな葛藤や具体的成果を語ったインタビュー動画を公開しています。
文字だけでは伝わりきらない現場の熱量や、生の声だからこそ伝わるリアル感をぜひ動画でご覧ください。
――宮城交通様では、2014年に弊社の「日報・収入管理システム(パッケージ版)」を導入いただきましたが、当時のアナログ運用からシステム導入に踏み切った理由はなんだったのでしょうか?
西村氏: 2014年のシステム導入前は、各営業所が手書きなどで日報を作成し、10日に1回や月末のタイミングで、切符や乗車券、現金などの現物と一緒に本社へ郵送していました。日報作成にかかる時間は営業所によって異なりますが、数分から数十分程度かかっていました。
本社では届いた日報を数人がかりでExcelへ手入力し、集計を行っていました。この集計作業には1営業所あたり4~5分かかっていました。当時は営業所に加え乗車券の発売所も含めると約20拠点ありましたので、それなりの時間を費やしていました。さらに手計算によるミスが発生すると、その原因究明に数分から数時間かかるケースもありました。
当時は宮城交通グループ内でも各営業所にPCが十分に備わっていなかったため、アナログ運用でした。
また、特定の担当者にしか業務が分からない「ブラックボックス化」に陥っていたことも大きな課題でした。
それに加え、2015年に予定されていたIC乗車券「icsca(イクスカ)」の導入を見据え、膨大なデータ処理に耐えうるシステム基盤の構築が不可欠となったことが、システム導入の最大のきっかけです。
――数あるシステムの中からメイテツコムを選んだ理由を教えてください。
西村氏: 最大の理由は、同じ公共交通事業者である名古屋鉄道様や名鉄バス様での稼働実績と評判の良さです。メイテツコムは、グループ内に多くの交通事業者を抱えていることから、業界特有の業務プロセスに対する深い理解があると感じています。当時も名鉄バス様から直接使用感を伺い、導入の際にも担当者から情報を提供していただけたため、安心して導入を進められました。
また、当社がIC乗車券「icsca(イクスカ)」を導入する前に、既に名古屋地区でICカード連携の実績があったことも大きな安心感に繋がりました。システム選定においては、「確実性と信頼性」を優先しました。
――パッケージ版導入により、どのような変化を実感されましたか?また、その後の課題は何でしたか?
西村氏: パッケージ版の導入により、重複入力や手計算が解消され、締め作業のスピードが圧倒的に向上しました。本社での転記作業が解消されたことで数時間単位の業務削減を実現し、決算期に常態化していた長時間の残業も解消されました。削減できた時間を他の業務に充てられるようになり、会社全体の業務効率化に繋がっています。
現場でも、毎日の収入報告が早く正確に行えるようになり、データの正確性が大幅に向上しました。当初はPC操作に不慣れな人も多く「紙の方が良かった」という声もありましたが、システム化のメリットを丁寧に説明して理解を得ました。現場における毎日の1~2分の作業短縮は、年間で見ると非常に大きな効果を発揮します。
一方でシステムの長期運用に伴い、2020年にはサーバーを自社マシン室から外部のデータセンターへ移転するなどの対策を講じました。
しかし、数年ごとにやってくるサーバーの更新(直近では2025年4月)やハードウェアの保守期限に伴う莫大なコスト負担、さらにIT資産を維持管理する手間が大きな経営課題となっていました。
また、当時のシステム仕様は「営業所から本社へデータを送る一方通行」の仕組みでした。本社側でデータを確認するには、1日1回の取り込みバッチ処理を待つ必要があります。月末など締め作業が迫る時期に、リアルタイムな情報共有や双方向のデータ活用ができない点に限界を感じていました。
――実際のSaaS版の導入プロセスはどのように進められましたか?
西村氏: サーバー更新のタイミングでメイテツコムからSaaS版の提案を受け、サーバー保守負担の軽減や機能アップデートの自動化など、長期的なメリットが大きいと判断しました。
検討にあたり、他社システムとの比較は行っていません。これまで長く利用してきてサポート面や運用面での信頼感がありましたし、同じベンダーのSaaS版へ移行することが、データ移行や現場への再教育の観点で最もリスクが少なく、確実性が高いと判断したためです。他社のシステムへの乗り換えは、膨大な時間や手間がかかると考えました。
――SaaS版を導入し、どのような変化を実感されていますか。
西村氏: 経営・管理面では、サーバー保守や障害対応、バージョンアップ作業が不要となり、IT運用コストが大幅に軽減されました。また、営業所から入力された日報データがバッチ処理を待たずにリアルタイムで見えるようになったことで、状況確認が即座にでき、管理職の意思決定スピードが向上しています。
現場での運用についても、UIや操作感がパッケージ版から大きく変わらなかったため、日々の業務フローを変えることなくスムーズに移行できました。また、アドオン開発で必要な機能を追加していただいたことで、使い勝手を維持しながら細かい機能まで改善していただけた点も非常に良かったです。
移行時は1ヶ月間の並行稼働期間を設け、SaaS版の感覚を掴んでもらうようにしました。かねてより要望を出していた「定期券の月割り按分機能」が標準機能として追加され、Excelでの手作業が自動化されたことも大きなメリットです。
西村氏: 当社はこれまで、アナログ運用からパッケージ版導入、そして今回のSaaS版移行と、段階的に業務のデジタル化を進めてきました。
今回のSaaS移行は、次なるステップへの基盤づくりと捉えています。
今後は会計システムなど他システムとのデータ連携をさらに推し進め、二重入力の削減やペーパーレス化、管理部門における集計作業の効率化など、現場の負担を軽減する改善を目指します。
いきなり大きな変革を狙うのではなく、現実的な業務のDX化を少しずつ進めていく方針です。

宮城交通株式会社 西村様
――アナログ時代から長年にわたり伴走してきたメイテツコムに対して、期待することやメッセージをお願いします。
西村氏: 2013年のパッケージ版開発着手から現在に至るまで、IC乗車券『icsca(イクスカ)』の導入や今回のSaaS移行など、メイテツコムは常に当社に寄り添ってくれました。単なるITベンダーではなく、バス業界特有の悩みを深く理解し、最適な提案をしてくれる唯一無二の存在です。
現在、クレジットカード決済の実証実験を展開しているので、今後はクレジットカード情報とのシステム連携や、 AIを活用した日報データと裏付け資料の自動照合(データの不一致を自動検知する機能など)、現場の負担をさらに減らす機能拡張にも期待しています。
当社は東北という土地柄もあり、最新のDX情報をキャッチするのが少し遅れる場合があります。そのため、これからも業界の動向を先回りし、DXの最先端にいるメイテツコムから先進的なソリューションをご提案いただけることを期待しています。
――最後に、デジタル化を検討している他社の担当者様へアドバイスをお願いします。
西村氏: 当社も最初からDXが得意であったわけではありません。紙での管理からパッケージ版、そしてSaaS版へと、振り返れば一歩ずつの積み重ねでした。どの段階でも、「これで上手くいくのか」という不安や、業務フローの変更に対する抵抗はありました。
しかし、できるところから少しずつデジタル化を進めた結果、気づけば大きな負担が減り、業務が安定して回るようになりました。
いきなり大きな改革をする必要はありません。まずは今の業務をそのままデジタルに置き換えるだけでも、格段に効果が出ます。紙やExcelでの管理、あるいは古いシステムの維持に悩んでいる事業者様は、ぜひできるところから少しずつデジタル化を進めてみてください。
宮城交通株式会社
本社:〒981-3201 宮城県仙台市泉区泉ヶ丘三丁目13番20号
代表者:代表取締役社長 水野 敏秀
設立:昭和45年10月(営業開始日)
従業員数:623名(令和8年3月31日現在)
CONTACT
ご不明な点はお気軽に
お問い合わせください
デジタル活用のお役立ち資料は
こちらから
お電話でのお問い合わせはこちら
月~金 9:00~18:00(祝日、弊社指定休日を除く)
Copyright (c) Meitetsucom Co. Ltd. All Rights Reserved./