――名鉄バス株式会社が挑んだ、交番表作成の全貌
愛知県を中心に路線バス、高速バス、空港バスを運行する名鉄バス株式会社。
同社では、年々厳しさを増す労務管理と現場の負担軽減を見据え、長年手作業で行われていた交番表(勤務表)作成の効率化に挑みました。
名鉄バス様は、他社に先駆けておよそ30年前にメイテツコムの「乗務員向け 勤怠管理システム」を導入し、手作業からのシステム化を実現し現在まで活用しています。
さらに2025年からは、株式会社ALGO ARTIS(アルゴ・アーティス)が提供する「AI交番ソリューション」を導入。メイテツコムの「乗務員向け 勤怠管理システム」と連携をすることで、勤怠管理業務の高度化を図りました。
バスDXの先端をいく名鉄バス様に、プロジェクトの核心を伺いました。

名鉄バス株式会社 経営計画部 財務企画課 主任 大野貴也様
・交番表作成時間の劇的な短縮(勤怠管理システム×AI交番)
もともと手作業で行っていた勤務管理業務は、メイテツコムの「乗務員向け 勤怠管理システム」の導入により、勤務パターンの割付や勤務実績管理などのシステム化を実現していました。しかし、貸切等の臨時運行や乗務員都合による急な勤務変更が入ると、交番表の最終確定までに8~10時間もの時間を要していました。
そこで、2025年にAI連携を実装したことで、この確定作業が最短で1.5時間程度にまで短縮され、圧倒的な業務効率化を達成しました。
・確実な法令チェックの自動化(勤怠管理システム)
勤務条件に抵触する場合は、システムがエラーを出し登録自体も受け付けないため、現場での確実な法令遵守が可能になりました。
・複数業務の一元管理と柔軟な対応(勤怠管理システム)
路線バスと貸切バスの両方の勤務を一つのシステムで管理でき、臨時で発生する仕事なども柔軟に組み込める環境を実現できています。
本プロジェクトの核心について、経営計画部 財務企画課 主任の大野様が、導入当時のリアルな葛藤や具体的成果を語ったインタビュー動画を公開しています。文字だけでは伝わりきらない現場の熱量や、生の声だからこそ伝わるリアル感をぜひ動画でご覧ください。
▼【バス運行管理DX事例】交番表(勤務表)作成を8~10時間→最短1.5時間に短縮▼
※交番表作成にかかる時間のみで、事前の入力時間等は含めておりません。
――今回、長年続いていた交番表作成の方法を刷新された最大の理由はなんだったのでしょうか。
大野氏: およそ30年前にメイテツコムの「乗務員向け 勤怠管理システム」を導入したことで、基本の勤務パターンの割付や、年休券・実績・乗務員管理のシステム化が図れ、確実な法令チェックや貸切・路線業務の一元管理などが実現していました。これにより、現場の負担軽減には大きく貢献していました。
しかし現場は、あらかじめ組んでおいた基本の勤務パターン通りにはいきません。貸切等の臨時運行の追加や当該日の出勤者数から勤務反映させるには、交番担当者の長年の経験や勘に頼って組み替える必要があるため、交番表を最終確定させるまでに約8~10時間ほどの時間を費やしていました。
日によっては「その日のうちに交番が組み上がらない」という自体も発生しており、交番作成の『属人化』が大きな課題となっていました。

――勤務作成にAIを取り入れようと考えたきっかけはなんですか?
大野氏: 最初のきっかけは、トップから「AIなどを活用して、勤務管理業務をさらに効率化できる方法を考えられないか」という声が上がったことでした。
――実際のAIの導入プロセスはどのように進められましたか?
大野氏: ゼロからのスタートだったため、「頭で思っていることを言葉に表し、それをAIに落とし込む」という作業が最も困難でした。例えば「この日は早上がりでないといけない」「この人はこういう勤務の組み合わせならやってくれる」といった現場の暗黙知をAIアルゴリズムに組み込む必要がありました。
――苦労した点はありましたか?
大野氏: 最初はAIにバッファの概念がなく、「休息時間が9時間ぴったり」というような余裕のないスケジュールを出してくることもありました。本来は、法令で定められた9時間の休息時間だけでなく、各改善基準時間にプラス遅延を考慮したバッファをいれる必要があります。
約2年間、何度もトライと改良を重ね、人に近い組み方ができるようになりました。

交番表作成の様子
――AIを導入し、どのような変化を実感されていますか。
大野氏: 臨時運行の追加や乗務員都合の急な勤務変更などが入っても、AIが先々の予定まで視野に入れて当該日の勤務割付を考えてくれるので、考える手間が減りました。また、交番作成者によるバラツキがなくなり、バランスよく、不公平感のない勤務の配分ができるようになったのも大きなメリットです。
大野氏: はい、かなり楽になりました。
メイテツコムは長年当社の運行管理の基盤として欠かせないものでしたが、臨時や貸切の追加、年休の人数、時間外可能人数によって勤務作成および確定には依然として約8~10時間かかってしまっていました。
今回、メイテツコムの「乗務員向け 勤怠管理システム」と、ALGO ARTISの「AI交番ソリューション」をシステム連携させたことで、この「交番を最終確定させる時間」が大幅に減りました。
現在は、AIが10分ほどで算出した答えを人間の手で確認と一部微調整して確定させていますが、その作業は最短1.5時間程度です。その他にも「勤怠管理システム」での諸々の作業時間が最短30分程度かかるので、合計で2~3時間で済むようになりました。
――今後、システムに期待することや展望を教えてください。
大野氏: AIが算出した答えを手修正ゼロでそのまま採用していくのが理想です。また、現在は乗務員への連絡などを電話で行っていますが、将来的にはすべてアプリやWeb上で乗務員自身が勤務を確認でき、電話連絡が不要になる仕組みを実現したいと考えています。
――最後に、デジタル化を検討している他社の担当者様へアドバイスをお願いします。
大野氏: 是非ともデジタル化を進めてください。使いこなすまでは苦労するかもしれませんが、システム化によって計算の手間がなくなり、確実に業務が楽になります。システムやAIを導入して活用していくことを強くお勧めします。

ホームページ
https://www.meitetsu-bus.co.jp/
名鉄バス株式会社
本社:〒450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅4-26-25
代表者:代表取締役社長 金森隆浩
創業:平成16年10月1日
従業員数:約1,624名人(2025年6月31日現在、アルバイト含む)

ホームページ
https://www.meitetsu-bus.co.jp/
株式会社ALGO ARTIS
ホームページ:https://service.algo-artis.com/transportation/
本社:東京都千代田区麹町2-3-2 WeWork 半蔵門PREX North 10階
代表者:代表取締役社長 永田 健太郎
企業プロフィール: 2021年にDeNAからスピンオフし設立。社会インフラ産業を中心に、複雑な「計画領域」のAI最適化を実現。バス業界においては、法令や労使協定から営業所独自のルールまで膨大な制約をクリアしたダイヤ改正・仕業作成・交番作成などの自動化を実現。熟練者の“職人技”に頼っていた計画業務を効率化し、人手不足・法令遵守・安全運行といった業界の課題解決に貢献しています。
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