「グループ各社でデータが分散し、有効活用できていない」 「顧客を深く理解し、グループ全体のシナジーを生かした施策を打ちたい」 「データ集計やレポート作成といった業務を効率化したい」
企業のDX推進が叫ばれる昨今、多くの企業様がこのような課題をお持ちではないでしょうか。 私たちメイテツコムは、名古屋鉄道と共同で、名鉄グループのIT戦略を担う技術パートナーとして、これらの課題を解決するデータ統合基盤「MIDI(Meitetsu group Integrated Data Infrastructure)」を構築しました。 本記事では、この「MIDI」がどのようにしてグループの長年の課題を解決し、データドリブン経営への変革を推し進めているのか、その全容を導入事例としてご紹介します。
約120社で構成される名鉄グループでは、交通、不動産、レジャー、流通など多岐にわたる事業を展開しています。それに伴い、各社が保有するデータは個別のシステムで管理され、グループ全体で有効活用するには多くの課題がありました。
1. データ環境の不透明性と属人化
データが各社・各部署、時には担当者レベルで個別に管理されていたため、グループ内のどこにどのようなデータが存在するのか、全体像を把握することが困難でした。これにより、担当者レベルでの精緻なデータ把握や、データを横断的に活用した「見える化」が進まない状況でした。
2. 営業・マーケティングにおけるデータ活用の障壁
販促活動やプロモーションを検討する際、必要となる各種データを迅速に取得することが難しく、勘や経験に頼った施策立案が中心となっていました。また、BI・AIツール等を活用した分析基盤がなかったため、施策の効果検証にも時間がかかり、スピーディーな営業・マーケティング活動の展開を妨げていました。
3. 既存業務の非効率性と作業負荷の増大
グループ内でデータを共有する仕組みが整っておらず、レポート作成などの定型業務では、各所から手作業でデータを収集・集計する必要がありました。これは実務担当者の作業負荷を増大させ、より付加価値の高い業務への注力を阻む大きな要因となっていました。
メイテツコムからのデータ統合基盤「MIDI」のご提案
このような課題に対し、私たちメイテツコムは名古屋鉄道と共同で、グループ全体のDXを牽引する技術的知見を活かし、データ統合基盤「MIDI」の構築を提案・推進しました。
MIDIとは、グループ各社が保有するデータや外部データを統合データベースに集約し、これらを「グループ全体の財産」として利活用を推進するデータ統合基盤です。MIDIは、以下の3つの目的を達成するために設計されています。
AWSとBIツールを活用した最適なアーキテクチャ
技術基盤としてアマゾン ウェブ サービス(AWS)を採用し、拡張性、パフォーマンス、コスト効率の観点から最適なアーキテクチャを設計しました。
本格稼働を開始したMIDIは、グループのデータ活用文化に大きな変革をもたらしています。
効果1:迅速な経営判断の実現
経営層や各事業部門の責任者は、BIツールを通じて、グループ全体の主要KPIをダッシュボードでリアルタイムに確認できるようになりました。これにより、変化の兆候をいち早く捉え、データに基づいた客観的かつスピーディーな意思決定が可能となり、経営の機動力が大幅に向上しました。
効果2:定型業務の効率化と省人化
これまで各部署で手作業で行っていたデータ集計・レポート作成業務が、MIDIのダッシュボード機能によって自動化されました。例えば、鉄道の駅別入出場人員数といった定型データも、いつでも最新の状態で確認できます。これにより、担当者は単純作業から解放され、より付加価値の高い分析業務に集中できるようになりました。
MIDIの構築はゴールではなく、データドリブン経営に向けた新たなスタートラインです。MIDIプロジェクトを通じて、名鉄グループにおける「勘や経験に頼った従来型の営業スタイル」から脱却し、データを基軸とした「データドリブンマーケティング」を推進することで、グループ全体の成長を加速させていきます。
私たちメイテツコムは、これからも名鉄グループの戦略的ITパートナーとして、AI/機械学習の本格活用なども視野に入れながら、MIDIの機能拡張と活用を支援し続けます。 このようなデータ活用基盤の構築や、DX推進に関する課題をお持ちの企業様は、ぜひ一度、私たちメイテツコムにご相談ください。
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